◆『話題のご当地メシ』を紹介するのはSFレンジャー青
東北は海や山の豊かな自然に育まれた美味しい食材がたくさん!
伝統的な郷土料理も数多くあるけど・・・近ごろ話題のご当地グルメにも注目!郷土料理のアレンジレシピや、町の食堂から流行りだしたメニューなどなど、気軽に楽しめてバラエティーにとんだご当地グルメは、まさに食のエンターテイメント!
青森県
【 話題のご当地メシ 】
生姜味噌おでん/黒石つゆ焼きそば/八戸銀サバトロづけ丼/十和田バラ焼き/イギリストースト/味噌カレー牛乳ラーメン/津軽そば/弘前いがめんち など
青森県は、全国的にメジャーな「青森のホタテ」「大間のマグロ」「八戸のサバ」がラインナップする高級魚介類の宝庫!でも、それだけじゃなくて、「B-1グランプリ」発足に一役かった「八戸せんべい汁研究所」なる団体もあるんだ。今や「Bー1グランプリ」や「どんぶり選手権」などで活躍するB級グルメの宝庫となった青森県のご当地グルメは目が離せないね。
太平麺と甘辛いソースが特徴の「黒石焼きそば」に、蕎麦つゆやラーメンスープをかけた「黒石つゆ焼きそば」は、今や青森のB級グルメの定番。
昭和30年代後半、「美満寿(みます)」という店にあった「つゆそば」が元祖らしい。「美満寿」は旧中郷中学校入り口にあり、学校帰りのおなかを空かした中高生に、作り置きして冷めたくなったやきそばに、温かいそばつゆを掛けてて食べさせていたんだって。温かい「つゆ焼きそば」と同じくらい温かい店主の心が生んだメニューだったんだね。
「全国ご当地どんぶり選手権」で2年連続でグランプリを受賞し、殿堂入りを果たした「八戸銀サバトロづけ丼」。
八戸沖で獲れる「八戸前沖さば」の中で550g以上の大型のサバを「八戸銀サバ」と言うんだよ。全国のサバの中で最も脂が乗っていてマグロのトロに匹敵する、と言われているんだ。
「生姜味噌おでん」は、すりおろし生姜と味噌を混ぜ合わせたタレをのせたおでん。戦後、青森駅周辺で数多く営まれた屋台(闇市)で、青函連絡船に乗り込もうとするお客様に少しでも暖まって欲しい、との思いで作られれた「おでん」らしいよ。ツブ貝、うずらの卵、ネマガリダケ、さつま揚げを薄く四角く大きめに伸ばして揚げた「大角天」など独特の具も特徴の一つ。
生姜には体を温めるほか、脂肪や糖の分解を促進したり免疫力を高めたりする効果も! そして味噌には老化防止や美肌効果があると言われ、 生姜と味噌を同時に摂取できる生姜味噌ダレは美容効果もバツグンだね!
岩手県
【 話題のご当地メシ 】
盛岡冷麺/じゃじゃ麺/福田パン/遠野ジンギスカン/岩泉炭鉱ホルモン鍋/ビス天/磯ラーメン/いわてまち焼うどん/盛岡温麺 など
広大な面積を有し、漁業、農業、畜産業に恵まれた自然と環境の岩手県は、地方により素材の持ち味を活かした様々な料理が生み出されているんだ。
伝統的な県南のもち文化、県北の雑穀文化、沿岸の海鮮料理に加え、内陸部の多彩な肉料理や盛岡の三大麺(冷麺、じゃじゃ麺、わんこそば)など、地方ごとに食文化の違いが色濃く表れているのが岩手の特徴なんだよね。
盛岡の焼肉店の定番メニュー「盛岡冷麺」は、盛岡にある「食道園」が元祖。昭和29年に朝鮮半島の出身で麺職人でもある青木輝人氏が韓国冷麺2種を融合させ、開発したオリジナルの冷麺なんだって。つるつるとした舌触りと、強いコシが特徴の麺は、小麦粉と緑豆のデンプンが使われているらしい。
新たな盛岡名物として焼き肉店を中心に展開されているのが、「盛岡温麺」。盛岡冷麺と同じ麺を使用して温かい汁で提供されるのだけど、ただ冷麺の汁を温めたものではないんだよ。汁はダシと味付けにこだわって温麺用に開発され、具材も各店工夫を凝らしているから、焼き肉の〆に「令」と「温」のどっちの麺にするか迷っちゃうよ。
そして、1948年創業の「福田パン」。
長年にわたって多くの小中学校の給食に採用され、また高校の購買部でも定番のメニューとなっていて、 県民の多くが当店の商品を食べて育ってきたことから「岩手県民のソウルフード」「盛岡の市民食」とも呼ばれているんだ。
福田パンの創業者である福田留吉氏、実は宮澤賢治の農学校における教え子だったとのこと。
本店の可愛らしい建物は、「宮沢賢治が描いたイーハトーブ世界の、木造校舎のイメージ」なんだって!
秋田県
【 話題のご当地メシ 】
横手焼きそば/バター餅/ババヘラアイス/十文字ラーメン/あいがけ神代カレー/本荘ハムフライ/比内地鶏の親子丼/豆富カステラ など
秋田のご当地グルメは、素朴で、「どこか懐かしい味」がするものが多いんだ。
そんな代表格が「横手焼きそば」。B級グルメとして全国的な知名度を誇り、今や日本三大焼きそばの一つに数えられるほど。昭和25年頃、横手市の焼きそば屋と地元の製麺所が協力して作り上げたのが発祥らしく、手ごろな価格と美味しさで人気になったたんだそう。
平成13年に「横手やきそば暖簾会」が発足され、横手焼きそばを活用した町おこしが始まり、地域の人たちの努力で、今では全国区になったんだ。横手市以外の人たちにも親しまれる味が人気の秘訣だね。
そして、懐かしい味のするご当地おやつの代表格が北秋田市発祥の「バター餅」。
お餅にバター・砂糖・卵などを混ぜて作られていて、バター風味で洋菓子のような味わい!バターが入ることで柔らかさが長時間続くことから、マタギの保存食としても重用されてきたんだよ。
さらに、味もだけど、その存在自体が懐かしくもあり、大切に守っていきたい唯一無二の「ババヘラ」。
「ババヘラ」は、主に国道沿いでビーチパラソルを広げた下で注文ごとにおばあちゃん(秋田の方言でババ)がヘラで盛り付けるアイスのこと。ピンク(イチゴ味)と黄色(バナナ味)のアイスでお花のように綺麗に盛り付けられるババヘラは、子どもから大人まで大人気!「ジジヘラ」「ギャルヘラ」というレアな売り子さんがいた事があるんだって。
秋田県は、なんと東北で最初にミニスカートが流行った県。
見たことのがないものへの好奇心が旺盛で、新しもの好きな県民性と、大らかで陽気、でも堅実で、真夏の1日の立ち仕事も頑張れる秋田のおばあちゃんの存在とが掛け合わさり、秋田県にだけ定着した、もはや文化と言えるんじゃないかな。
宮城県
【 話題のご当地メシ 】
牛タン/セリ鍋/油麩丼/麻婆焼きそば/ずんだシェイク/ひょうたん揚げ/石巻焼きそば/仙台あおば餃子/秋保おはぎ/風月堂のアイス など
豊かな自然に恵まれた土地で、農業と水産業が盛んな「食材王国みやぎ」と言われる宮城県。定番のご当地グルメもたくさんあるけど、時代の流れや地域振興などを背景に、新たしい名物グルメが次々と出てくるから目が離せない!
ど定番の牛タンですら、バラエティーに富んだラインナップを見せているんだよ。
塩で味わう定番メニュー以外にも味噌ダレや、焼かずにゆでる「ゆでたん」や「牛タンしゃぶしゃぶ」、さらには燻製の「スモークたん」などなど。さらに、菓子や飲料でも商品開発され、牛タン味のスナック菓子や「牛タンサイダー」といったユニークなアイテムまであるからチェックだね。
新たなご当地グルメとして注目されている、平成のルーキー「セリ鍋」。
何が話題となったかというと、ヒゲのような根っこがドーンと入っていること。この鍋に使われているセリは名取市の名物で、根っこまで食べられるのが特徴。
セリは「七草がゆ」にも使われ、伝統野菜としてお馴染みだけど、名取市のセリ栽培の歴史は古く、1620年頃には野生のセリの栽培をしていた文献があるんだ。1770年にはせり栽培の普及が始まったといわれていて、なが~い歴史を経て、現在ブレイク中だなんて、まだまだそんな食材がいっぱい眠っている予感!
それと、ど定番のご当地グルメの形を変え、食べ歩きできるスタイルにして再ブレイクした「ずんだシェイク」や「ひょうたん揚げ」も注目だね。
「ひょうたん揚げ」は「第一回仙台青葉まつり(1985年)」で登場したご当地グルメ。ボール状のカマボコを甘めの生地で包み、一本一本手作業で「ひょうたん」の形にして揚げたもの。
「ずんだシェイク」や「ひょうたん揚げ」は、その手軽さから若者たちの間でじわじわと知名度をあげ、今や名物グルメとしてその名を連ねているほど。
また、変わったところでは、石巻市で160年以上の歴史を持つ老舗のお菓子屋さん「風月堂」のアイス。
「茶色い焼きそばアイス」「ササニシキアイス」「ほやアイス」「三陸うにアイス」「海のカキアイス」「サンマアイス」などなど、郷土の味を全国に広めようと、一風変わったユニークなアイスを展開しています。その数なんと100種類以上というからさらに驚き!
ユニークアイスを作るようになったのは、国の減反政策がきっかけだそう。お米をお菓子に使えないかと考え「ササニシキアイス」を製造。それが大好評となり、各地から変わり種アイス製造依頼が殺到するように。
「納豆アイス」「フカヒレラーメンアイス」「まむしアイス」「馬刺しアイス」「源氏ボタルアイス」!?、といった衝撃のラインナップも…。勇気のある方は是非試してみて!
山形県
【 話題のご当地メシ 】
冷やしラーメン/どんどん焼き/ずんだ(だだちゃ豆)餅/庄内焼きそば/米沢牛すじ煮込み丼/ひっぱりうどん/だだちゃ豆ジェラート など
豊富な海の幸、山の幸に加え、「果樹王国」と言われるほど農作の環境に恵まれ、美味しいものがたくさんの山形県。
米の生産量は全国でトップクラスなんだけど、「蕎麦」「ラーメン」と麺にこだわる人も多く、麺類大好き県民なんだよ。
B級グルメとして有名な、ちょっと変わった作り方をする「庄内焼きそば」。別名「あとがけ焼きそば」の名の通り、スープで蒸した麺の上に、別の鍋で炒めた肉や野菜をのせて、最後自分の好みの量だけソースをかけるんだ。
火を通してソースの味が変わってしまうのを防ぐため、「最後にソースをかける」という発想から生まれたんだって。
ソースと言えば、お好み焼きを箸にくるっと巻いた山形オリジナルの「どんどん焼き」。お祭りやイベントに欠かせない、子どもから大人まで人気の屋台フード。
地元のスーパーマーケットのフードコートでも見かける、ボリューム満点のおやつとして、中高生にも人気なんだ。
山形で「どんどん焼き」が売られるようになったのは戦前と言われていて、お客さんを呼ぶ鳴り物の「どんどん」という音から名づけられたんだって。
内陸の奥羽本線沿いルートが「そば街道」と呼ばれるように、蕎麦の文化が色濃い山形県なんだけど、なんと言っても特出すべきは「ラーメン愛」!
山形県は、人口あたりのラーメン店舗数が日本一で、1世帯あたりのラーメン支出額もトップなんだ!
昔からおもてなしにラーメンの出前を振る舞う習慣がある山形県。蕎麦屋にもラーメンがあり、さらに、戦後に一軒のラーメン屋が発明した「冷やしラーメン」が夏の定番になっているため、盆地のため夏はかなり暑い山形でも消費量が落ちないという一説も。
山形県はご当地ラーメンの宝庫でもあり、「山形ラーメン」「酒田ラーメン」「新庄市のとりもつラーメン」「赤湯ラーメン」「米沢ラーメン」 「アスパララーメン」「冷たい肉そば」などなど盛りだくさん。
そしてついに、なんと「ラーメン課」がある市役所まで登場したというから驚きだね!
福島県
【 話題のご当地メシ 】
喜多方ラーメン/ソースカツ丼/円盤餃子/ねぎそば/なみえ焼きそば/クリームボックス/喜多方ラーメンバーガー/めひかりのから揚げ など
日本で三番目の面積の福島県は、明治9年に、若松県、福島県、磐前(いわさき)県が合併し、現在の姿になったんだ。だから、ご当地に根付いた食材や味の好みが3地方によって異なるんだ。
まず、福島のご当地グルメを語るうえで欠かせないのが「喜多方ラーメン」「白河ラーメン」といったコクのあるしょう油ベースのラーメン。特に「喜多方ラーメン」は「札幌ラーメン」「博多ラーメン」と並んで日本三大ラーメンの地位を確立している。喜多方市では、人口数の割にはラーメン店数が多く、県内外の多くの人たちもラーメンを食べにくるんだ。
会津地方で「カツ丼」といえば、ソース味が定番。ご飯の上に千切りキャベツ敷き、揚げたてのトンカツに甘めのソースに絡めたものをのせたのが「ソースカツ丼」。
その起源は定かではなく、大正時代に「洋食店のコックがウナギの蒲焼きからヒントを得た賄い料理」「市内の食堂の店主が東京からコックを招いて完成させた」など、諸説あります。
いずれにしても、古くから味噌・醤油づくりが盛んな会津地方で、「ソース味」は、「ハイカラなごちそう」として人気を博したに違いないね。
「ソース味がハイカラ」と言えば、「なみえ焼きそば」は双葉郡浪江町に昭和30年頃から伝わるご当地グルメ。具はもやしと豚肉だけというシンプルさで、極太の麺と旨味がたっぷりの濃厚ソースが特徴!
2010年には「B-1グランプリ」に出場するも惜しくも12位。しかし、その名は全国区となり、現在は福島のご当地グルメを牽引する存在の1つになっているよ。
ラーメンや焼きそば、といった麺が好きが多い福島県だけど、蕎麦も忘れちゃいけないよ!福島県は古くから在来種によるそば栽培が盛んに行われていて、栽培面積、生産量とも多く、全国有数のそばの産地なんだよ。
伝統的な江戸そばは、出汁と醤油のつゆで食べるのが一般的だけど、福島古来の「高遠そば」は、大根おろしの辛味+こんがり焼き味噌の風味で食べるのが特徴。
醤油が庶民に普及する江戸時代中期以前は、江戸でも醤油でなく垂れ味噌で食べられていたんだって。
会津のそばは、昔は祝いの席や徳川将軍への献上品だったため「切る」というのは縁起が悪いとされ、ねぎを切らずにそのまま使ったのが始まりらしい。
その一方で大内宿の「ねぎそば」は、地元の『三澤屋』が30年ほど前に始めたメニューだそう。「小さいお椀にねぎを挿して子孫繁栄を願う風習がある」という話をお客から聞いて発想を得たんだって。
会津のそばのルーツは高遠そば。辛味大根に類似する生ねぎの辛味が共通した味わいだったんじゃないかな。