Vol. 001

一般社団法人カイタク

一般社団法人カイタク

「一般社団法人カイタク」この一風変わった名前の法人、いわゆる会社組織というよりも、「東北の企業の復興」を志とする「開拓者」たちが集まる少数精鋭集団という表現が似合う。
「東北SOUL FOODな人たち」記念すべき第1回は、一般社団法人カイタクに密着!

 

 

【銀行マンから、石巻応援サポーターへ】

 

一般社団法人カイタクは、復興に向けて進む企業の「販路、ひと、未来」の課題解決に向け、共に考え、共に行動する”サポーター企業”として、2016年に宮城県石巻市で設立された法人である。

 

代表の山野目真悟さんは言う。
「石巻市は、実は東日本大震災で一番人的被害が大きかった地区なのです。」

漁獲量が多く優良な漁場として名高い「世界三大漁場」のひとつが、石巻の「三陸・金華山沖」である。
石巻漁港を擁する石巻市はその中心部のほとんどが平地であり、わずかな高台を除くほぼ全域が津波に襲われたことで、東日本大震災では最大の被害を受けたのだという。

震災当時、彼は石巻市の銀行員として、主に相続や資産管理関連の業務をしていた。
彼の勤務する支店は、石巻市で最も被害が大きかった地区にあった。
震災後、銀行内で業務の復旧もままならないなか、遺産相続手続きにやってくる人々に対し、当然ながら震災以前と同じ対応ができるはずもない。
震災で失った書類たった1枚がないだけで、相続の手続きができない。
目の前にいる人は震災ですでに多くを失ったのに、
親族が残した将来の資産を受け取る機会までも、更に失うのか。
「自分は、なんのために仕事をしているのか。」という虚無感。
真悟さんは何度も、自問自答したという。

 

そんな折、石巻市が企画する、地元石巻の商品を企業に代わって販売・販路開拓を行う仕事の人材募集に目がとまり、真悟さんは転職を決意する。

転職先ではどんどん頭角を現し、石巻の商品の販路開拓のプロジェクトリーダーとして、全国を駆け巡るようになった。得意とすることや個性は違うものの、地元を思う気持ちを同じくする仲間も増えていった。

ところが、石巻市がこのプロジェクトを終了する事が決定となる。

 

やりがいもあり仲間もでき、「これから」というところだったのに・・・
「終わらせて良いのだろうか」
真悟さんだけでなく、メンバーの一人ひとりも同じ思いだったという。

 

起業という選択肢を考え始めた真悟さんの背中を押したのは、
「仕事は、何をするかではなく、誰とするかが重要だ」という当時の恩師の言葉、
そして、仲間たちの顔だった。

こうして、2016年春に皆で協力して起業、一般社団法人カタイクが生まれる。

 

 

【カイタクという働き方】

 

カイタクとは、どんな集団なのだろう?

 

どの場所でもどのイベントでも、明るく人懐っこい笑顔で商品と人との橋渡しをする、「販売なら任せて!」と豪語するN氏。
心は熱く頭はクールに、販売のみならず経理の面からも組織を支えるMくん。
ほんわり優しい印象で、地元民や業者さんなど、誰からも愛されるキャラクターのSさん。
WEBや販促物のデザインを担う、若きデザイナーNさん。
商品や販売への責任感がお顔に現れていて、底知れぬ懐の深さをうかがわせる、しっかり者のKさん。
などなど・・・

 

現在、業務は販売サポートだけでなく、商品開発サポート、物産展企画、WEBや販促物制作等のPR広報業務など多岐にわたるものの、一人ひとりがいきいきと働いているのがとても印象的。

また、宮城県を中心とした東北地方のみならず、首都圏でも意欲的に活動している。

地元の魅力的な商品や食材を、一人でも多くの方に手に取ってもらうことで、お客様と地元の作り手と、双方に喜んでもらえる。
そのための得意分野をカイタクメンバーそれぞれが持ち、やりたい事を主張でき、それを尊重する環境作りができている。

 

 

慣習的なトップダウンの組織ではなく、それはまるで、有機的に変化する共同体のような組織だ。
昨今、コーポラティブハウス、シェアリングサービス・・・といった新たな業態や働き方が生まれているが、
カイタクは、そんな既存のどの言葉でもまだ形容できない、自由で開放的でありながらも、相互配慮のネットワークが行き届く、「共同体の新たな形」かもしれない。

 

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